整備システム・整備ソフト DREAM POWER > 整備ソフト選びのコラム > 鈑金見積と整備システムの連動|見積の取り込みから請求書と保険協定まで
事故車の修理で鈑金見積を作ったあと、同じ部品と工賃を整備システムの伝票へもう一度打ち込んでいる工場は少なくありません。見積は見積ソフト、請求書は整備システム、保険会社とのやり取りは紙とメール。こう分かれていると、転記の誤りと請求漏れが起きやすくなります。鈑金見積と整備システムを連動させると、見積の明細を伝票に取り込み、納品書と請求書、入金、顧客と車両の履歴まで一本の台帳で扱えます。この記事では、鈑金塗装を手がける整備工場と車体整備工場の経営者に向けて、連動で変わる作業の流れ、保険会社との協定で知っておきたい金融庁の調査と日本損害保険協会のガイドライン、導入前の確かめ方を順に説明します。
役割は別々です。鈑金見積システムは、事故で損傷した車の修理費を部品と工賃の積み上げで算出する道具です。整備システムは、顧客と車両の台帳、伝票、入金、車検点検の案内を受け持ちます。連動とは、この2つのあいだで見積のデータを受け渡し、見積で入れた明細を整備システム側の伝票に使えるようにすることです。
連動がないと何が起きるか。見積を印刷し、その紙を見ながら整備システムに部品名、品番、数量、工数を打ち直すことになります。1台あたりの明細が数十行になる事故車では、この転記に時間がかかります。数字を1行読み違えれば、請求額が見積と合わなくなります。保険修理では見積と協定額と請求額の3つがそろっていないと説明に手間取るので、転記の誤りはそのまま回収の遅れにつながります。
整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、鈑金見積システムとの連動を機能の一つとして公表しており、保険会社との協定の効率化と、下請け取引作業などの月末請求の簡素化をうたっています。注意点があります。連動できる鈑金見積システムは決まっていて、一部は連動の対象外です。いま使っている見積ソフトがそのまま連動するかどうかは、デモの段階で確かめてください。
鈑金見積と整備システムの連動は見積明細を伝票へ渡して転記をなくす仕組み
鈑金見積と整備システムの連動とは、鈑金見積システムで作った部品と工賃の明細を整備システムへ受け渡し、納品書や請求書の伝票にそのまま使う仕組みです。連動がない工場では、見積書を見ながら整備システムへ同じ明細を打ち直すため、明細が数十行になる事故車ほど時間がかかり、読み違いが請求額のずれになります。保険修理では見積、協定、請求の3つの金額がそろっていることが説明の前提になるので、転記の誤りは保険会社との確認や入金の遅れにも響きます。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは鈑金見積システムとの連動に対応していますが、連動できる見積システムは決まっており、一部は対象外です。導入前に、自社の見積ソフトが対象かどうかを確かめます。
工程は6つです。連動を前提にすると、事故車1台の事務は次の順で進みます。紙と手入力で回していた工程のうち、どこが減るかを並べてみます。
| 工程 | 連動なし | 連動あり |
|---|---|---|
| 入庫と受付 | 顧客と車両を見積ソフトと整備システムの両方に登録 | 整備システムの台帳から呼び出して見積へ |
| 見積の作成 | 見積ソフトで作成し印刷 | 見積ソフトで作成 |
| 保険会社との協定 | 協定後の修正を見積と伝票の両方に反映 | 協定後の見積を伝票へ取り込む |
| 納品書と請求書 | 見積書を見ながら伝票へ打ち直す | 取り込んだ明細から作成 |
| 入金と残高 | 見積番号と請求書を手で突き合わせ | 伝票ごとに入金を消し込む |
| 履歴 | 事故修理の記録が見積ソフトに残るだけ | 車両の整備履歴に修理内容が並ぶ |
いちばん効くのは、協定後の修正です。協定では数字が動きます。保険会社とのやり取りで工数や部品が変わると、連動のない工場では見積と伝票の両方を直す必要があり、片方だけ直して請求書と協定内容が食い違う事故が起きます。連動していれば、協定で確定した見積を取り込んで伝票を作るので、修正は1か所で済みます。
整備も一緒に載ります。鈑金と一般整備の明細は同じ伝票に載せられます。事故修理のついでにオイル交換や消耗品の交換を受けた場合でも、鈑金の明細と整備の明細を1枚の請求書にまとめられるので、お客様への説明が分かりやすくなります。請求書の書式とインボイス制度への対応は整備工場の請求書ソフトとテンプレートの違いで詳しく書いています。
鈑金見積を取り込むと協定後の修正が1か所で済み請求書と協定内容が食い違わない
鈑金見積から請求までの流れは、入庫受付、見積作成、保険会社との協定、納品書と請求書の作成、入金消込、履歴の保存の6工程です。このうち連動の効果がいちばん大きいのは、協定後の修正です。保険会社との協議で工数や部品が変わると、連動がない工場は見積と伝票の両方を直す必要があり、片方の直し忘れで請求書と協定内容が食い違います。見積を整備システムへ取り込む形にすれば、協定で確定した見積から伝票を作るので修正は1回で済み、鈑金と一般整備の明細も1枚の請求書にまとめられます。事故修理の内容が車両の整備履歴に残る点も、次の入庫時の説明に役立ちます。
次は協定です。保険修理の請求で避けて通れないのが、損害保険会社との協定です。国も実態を調べています。金融庁は2024年2月に「工賃単価に関する調査結果」を公表しました。日本自動車車体整備協同組合連合会に加盟する車体整備事業者などを対象にした調査で、3,151事業者から回答を得ています(回答率74.0%)。この調査でいう工賃単価は、事故で損傷した車の修理費用を算出する際に参照する1時間あたりの単価です。
数字で見ます。調査結果から、協定の実態を表すものを抜き出しました。
協定していない約4割の事業者について、金融庁は、事案ごとに修理内容が異なるため、損害保険会社と個別に交渉して自社が適正と考える修理費用を示しているケースもあると見ています。どちらの形でも同じです。交渉の材料になるのは自社の数字です。どの車にどれだけの工数をかけ、協定でいくら認められ、実際にいくら入金されたか。この記録が台帳に残っていないと、次の協議で根拠を出せません。
金融庁の調査では協定ありが55.7%で改定後の単価に納得していない事業者が68.2%
金融庁が2024年2月に公表した「工賃単価に関する調査結果」は、日本自動車車体整備協同組合連合会の加盟事業者などに聞いたもので、3,151事業者が回答しました(回答率74.0%)。工賃単価とは、事故車の修理費用を算出する際に参照する1時間あたりの単価です。2023年度に年度当初の協定をしている事業者は55.7%で、そのうち約8割弱で単価が引き上げられました。一方、改定後の単価に納得していないとの回答は68.2%、損害保険会社に苦情を申し出たことがないとの回答は約8割でした。協議の場で自社の主張を通すには、作業ごとの工数と協定額、入金額を記録し、根拠として出せる形にしておく必要があります。
金融庁の調査を受けて、日本損害保険協会は2025年2月17日に「修理工賃単価に関する対話・協議のあり方にかかるガイドライン」を制定しました。加盟する損害保険会社が車体整備事業者と修理工賃単価を協議するときの考え方をまとめたもので、工場側が知っておくと協議の進め方が見えやすくなります。
ガイドラインのうち、工場の準備に関係する部分を抜き出します。
根拠が要ります。読み取れるのは、根拠資料を出せる工場ほど協議が実質的になるということです。保険会社の側は説明の記録を残すと定めています。工場側も、自社のレバレートの根拠、作業ごとの工数、協定の経緯を同じように残しておくと、話が平行線になりにくくなります。見積と協定と請求が整備システムの同じ伝票にひもづいていれば、年度の協議の前に、どの保険会社とどの単価で何件協定したかを集計できます。
整備システム・整備ソフト DREAM POWERには、日整連の点数データをもとにレバレートから工賃を自動計算するオプションがあります。一般整備の工賃を自社のレバレートで一貫して計算しておくと、鈑金の工賃単価を説明するときの土台にもなります。追加できる機能はオプション一覧にまとめています。
損保協会のガイドラインは根拠資料の確認と協議の記録を損保会社に求めている
日本損害保険協会の「修理工賃単価に関する対話・協議のあり方にかかるガイドライン」は2025年2月17日に制定されました。会員の損害保険会社に対し、修理工賃単価を消費者物価指数以外の要素も考慮して定期的に見直すこと、協議を求められたことのみを理由に不利益な扱いをしないこと、レバーレートなどの根拠資料を丁寧に確認すること、説明や合意の状況を記録することを求めています。工場側にとっては、根拠資料を出せるかどうかで協議の中身が変わるということです。作業ごとの工数、協定額、入金額を整備システムの伝票に残し、保険会社別に集計できるようにしておくと、年度の協議の材料になります。
事故は入口です。事故で入庫したお客様は、そのまま整備や車検、買い替えのお客様になることがあります。ところが見積ソフトにしか記録がないと、次に車検で入庫したとき、前回の事故修理の内容を誰も思い出せません。顧客と車両の台帳を整備システムにまとめ、事故修理も整備履歴の1件として残しておくと、受付の会話が変わります。
整備システム・整備ソフト DREAM POWERの整備システムは、顧客管理、車両管理、伝票作成、入金管理、合計請求、統計、車検点検案内、自由検索で構成されています。電話の着信時に顧客の保有車両、残高、車歴、カルテを画面に出すおもてなし(CTI)システムもあり、任意保険や最終入庫日もその場で確認できます。事故の連絡が電話で入ったときに、保有車両と過去の修理歴を見ながら受けられるので、代車の手配や入庫日の調整が早くなります。
直せない車もあります。修理しきれない事故車の扱いも台帳とつながります。利用者限定のサービスには、事故車オークションやリサイクルパーツ、中古車仕入れなどがあり、修理か乗り換えかをお客様と相談する場面で選択肢を示せます。サービスの一覧は利用者限定のサービスで確認できます。
事故修理を整備履歴の1件として残すと次の車検や買い替えの提案につながる
鈑金工場の顧客管理と車両管理を一元化するとは、事故修理の見積と請求を、整備や車検と同じ顧客と車両の台帳に記録することです。見積ソフトにだけ記録が残る形では、次に車検で入庫したときに前回の修理内容が分からず、提案の機会を逃します。整備システム・整備ソフト DREAM POWERの整備システムは顧客管理、車両管理、伝票作成、入金管理、合計請求、統計、車検点検案内、自由検索で構成され、CTIシステムを使えば電話の着信時に保有車両、残高、車歴を表示できます。事故の連絡を受けた時点で過去の修理歴と任意保険の情報を見られるため、代車や入庫日の調整が早くなり、修理か乗り換えかの相談にも入りやすくなります。
鈑金の仕事は、個人のお客様からだけ来るとは限りません。販売店や他の整備工場から下請けで受ける作業は、1件ずつ請求するより、月末にまとめて請求する取引が多くなります。管理は2段階です。伝票は1台ごとに作り、請求は取引先ごとに締めます。
整備システムの合計請求を使うと、1か月分の伝票を取引先ごとに集めて請求書を出し、入金があった時点で伝票単位に消し込めます。見積が連動していれば、下請け分の伝票も見積から起こせるので、月末に見積書の束をめくりながら請求額を拾う作業がなくなります。保険修理と下請け作業と一般のお客様が混ざる工場ほど、未入金の伝票を一覧で追える仕組みが役に立ちます。
下請けの鈑金作業は伝票を1台ごとに作り請求を取引先ごとに月末で締める
下請けの鈑金作業の月末請求とは、販売店や他の整備工場から受けた作業を1台ごとの伝票で記録し、月末に取引先ごとにまとめて請求書を出す取引のことです。伝票と請求の単位が違うため、紙や表計算で管理すると、どの伝票を請求に含めたか、どの入金がどの伝票の分かが追えなくなります。整備システムの合計請求機能を使えば、1か月分の伝票を取引先ごとに集計して請求書を作り、入金を伝票単位で消し込めます。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは鈑金見積システムとの連動で下請け取引作業などの月末請求も簡単になるとしており、見積から伝票、請求、入金までを1つの台帳で追えます。
鈑金見積システムそのものの比較は、姉妹サイトの鈑金見積システム比較で扱っています。ここで扱うのはつなぎ目です。見積システムと整備システムをつなぐ観点で、導入前に確かめたい項目を挙げます。
一番確実なのは実演です。自社の事故車1台分の見積を持ち込み、見積の取り込みから請求書の印刷までを実際に操作してもらいます。整備システム・整備ソフト DREAM POWERのデモは、訪問、オンライン、来店の3つの方法から選べます。無料の整備ソフトや表計算からの切り替えで迷っている場合は自動車整備ソフトは無料で足りるかも参考にしてください。料金は使う機能と台数で変わるため、ご利用料金に記載のとおり資料請求の際にご案内しています。
連動の確かめ方は自社の事故車1台分の見積を使ってデモで請求書まで通すこと
鈑金見積システムと整備システムを選ぶときは、まず自社の見積システムが連動の対象かどうかを確かめます。次に、協定後の見積を取り込み直せるか、鈑金と一般整備を1枚の請求書にまとめられるか、取引先ごとの合計請求と伝票単位の入金消込ができるかを見ます。事故修理の履歴が車両の整備履歴として検索でき、保険会社別に件数を集計できれば、年度の協議の準備にも使えます。カタログの機能表だけでは連動の細かい挙動は分からないので、自社の事故車1台分の見積を持ち込み、取り込みから請求書の印刷までをデモで通してもらうのが確実な確かめ方です。
製品の組み合わせによって決まります。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは複数の鈑金見積システムとの連動に対応していますが、一部は連動の対象外です。いま使っている見積システムが対象かどうかは、資料請求またはデモの際にお問い合わせください。
連動している場合は、協定で確定した見積を整備システムの伝票へ取り込み、その伝票から請求書を作ります。見積と伝票を別々に直す必要がないため、協定内容と請求書の食い違いを防げます。
日本損害保険協会のガイドラインは、損害保険会社に対し、車体整備事業者が示すレバーレートなどの根拠資料を丁寧に確認するよう求めています。作業ごとの工数、協定額、入金額、協定の経緯を伝票にひもづけて残し、保険会社別に集計できるようにしておくと、協議の根拠として出しやすくなります。
月々の費用だけでなく、契約期間の縛りとアップデートの扱いをあわせて見ると判断しやすくなります。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは月単位のレンタル契約で長期リースの縛りがなく、アップデートとオンラインサポートは無料です。リース契約の注意点は整備システムをリースなしで導入するで、整備システムの比較やおすすめの選び方は姉妹サイトの整備システム比較で説明しています。
顧客と車両の台帳、伝票、合計請求、入金管理は鈑金専業でも使います。とくに下請け作業の月末請求と保険修理の入金管理が混ざる工場では、伝票単位で未入金を追えるかどうかが事務の手間を左右します。車検点検案内などの機能は、使う範囲だけで運用できます。
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。税務や法令の個別の判断は、所管の官庁や専門家にご確認ください。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER の資料をお送りします
整備と車両販売を1つのシステムで。月単位のレンタル契約で長期リースの縛りがなく、アップデートとオンラインサポートは無料です。資料請求・デモ申込は無料で承っています。
無料で相談・資料請求する※お問い合わせは自動車関係企業様のみでお願いいたします。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER