整備システム・整備ソフト DREAM POWER > 整備ソフト選びのコラム > 整備システムの乗り換え手順とデータ移行|他社データを移す前の確認事項
今の整備システムに不満があっても、乗り換えに踏み切れない理由はたいてい同じです。何年分もたまった顧客と車両のデータ、整備履歴、車検の満了日が、新しいシステムにきちんと移るのかが見えないからです。操作は慣れれば覚えられますが、データが移らないまま乗り換えると、車検案内の宛先も過去の整備内容も手元から消え、お客様との関係を一から作り直すことになります。この記事では、整備システムの乗り換えを、契約の確認、データの出力、移行、並行稼働、本稼働の順に分けて、それぞれで何を確かめればよいかを整理します。
きっかけは様々です。相談で多いのは次の4つです。
どのきっかけでも、判断の材料は「今のデータをどこまで持ち出せるか」と「今の契約をいつ、どんな条件で終えられるか」の2つに集約されます。機能の比較は後回しで構いません。この2つが見えてからで間に合います。機能だけを見て新しいシステムを先に決めてしまうと、解約の時期が合わずに二重に契約が続いたり、データの出力に追加の作業が必要だと後から分かったりします。
整備システムの乗り換えで最初に確かめる2点
整備システムの乗り換えで最初に確かめるのは、今のシステムから顧客・車両・整備履歴のデータを出力できるかどうかと、今の契約を終えられる時期と条件です。データの出力は、CSVなどの汎用形式で取り出せるか、出力を販売元に依頼する必要があるかで準備の期間が変わります。契約は、長期リースであれば満了日と中途解約の扱い、月単位の契約であれば解約の申し出期限を契約書で確認します。この2点を先に押さえておけば、新しいシステムの選定、移行日、並行稼働の期間を逆算で決められます。機能や操作性の比較は、その後で十分です。
乗り換えの流れを7つの段階に分けると、次のとおりです。工場の規模にかかわらず、順番はほぼ同じです。
2番目の「どのデータを出力できるか」は、販売元に問い合わせないと分からないことが多い項目です。画面上でCSVを出力できるソフトもあれば、出力を販売元に依頼する形のソフトもあります。依頼が必要な場合は、受付から納品までの日数も一緒に聞いておくと、移行日を決めやすくなります。
5番目の突き合わせは省かないでください。移行後のトラブルを防ぐ手間として一番効きます。常連のお客様を5件ほど選び、氏名、電話番号、保有車両、車検の満了日、直近の整備内容が旧システムと同じかを画面で見比べます。ここで項目のずれが見つかれば、本稼働の前に直せます。5件で足ります。
乗り換え手順のうち、日程を左右する工程
整備システムの乗り換えでは、データの出力と移行作業が日程を左右します。出力を旧システムの販売元に依頼する場合、受付から受け取りまで日数がかかることがあり、ここが読めないと移行日を確定できません。新しいシステム側の移行作業は、受け取ったデータの項目を新しいシステムの項目に対応させる作業で、顧客、車両、整備履歴の3種類がそろっていれば進めやすくなります。整備システム・整備ソフト DREAM POWERの場合、申込から利用開始までは通常約1週間が目安で、他社のデータ移行にも対応しています(一部例外あり)。旧契約の終了日から逆算して、出力の依頼を早めに出しておくのが安全です。
データ移行といっても、すべての情報が同じように移るわけではありません。移しやすさは、データの性質でおおむね決まります。表にまとめます。
| データの種類 | 主な項目 | 移しやすさの目安 |
|---|---|---|
| 顧客情報 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス | 項目が単純で、多くのシステムで出力できる |
| 車両情報 | 登録番号、車台番号、型式、初度登録年月、車検の満了日 | 項目名の対応づけが合えば移しやすい |
| 整備履歴 | 入庫日、作業内容、交換部品、走行距離 | 伝票の明細の持ち方がシステムごとに違うため、確認が要る |
| 伝票・入金 | 見積、請求、入金、売掛残 | 締めの途中で移すと残高がずれやすい |
| 独自の設定 | 作業の単価表、よく使う作業のセット、帳票のレイアウト | そのまま移らないことが多く、新しいシステムで作り直す前提 |
顧客と車両は、移行後すぐに車検案内や照会に使う中心のデータです。ここが移れば、日々の受付は止まりません。整備履歴は、明細の持ち方がシステムによって違うため、移行後に「どの形で表示されるか」をデモの段階で見せてもらうと安心です。
伝票と入金は、月の途中で移すと、旧システムに残った売掛と新システムで起こした請求が混ざります。移行日は月末の締めを終えた直後にし、締め後の残高を1枚の一覧にして手元に残しておくと、問い合わせがあっても答えられます。
他社データ移行で優先する3種類のデータ
他社の整備システムからのデータ移行で優先するのは、顧客情報、車両情報、整備履歴の3種類です。顧客情報と車両情報が移れば、車検の満了日をもとにした案内や、電話を受けたときの照会が新しいシステムですぐに使えます。整備履歴は、入庫日、作業内容、交換部品、走行距離が移れば、次の点検や車検の見積を過去の記録から組み立てられます。一方、作業の単価表や帳票のレイアウトのような設定は、システムごとに考え方が違うため、新しいシステムで作り直すと考えておくのが現実的です。移す範囲を最初に決めておくと、移行作業の見積もりも立てやすくなります。
まず契約書です。データを持ち出せるかどうかは、技術の問題である前に契約の問題だからです。契約書や利用規約に、契約終了時のデータの扱いがどう書かれているかを確認します。書かれていない場合は、販売元に書面かメールで問い合わせ、回答を残しておきます。
公正取引委員会は、令和4年6月の「クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書」で、利用者側が契約前に取り組むこととして、契約を終える条件を自社で決めておくこと、契約終了時に保存したデータを完全な形で取り出す方法が用意されているかを確認することなどを挙げています。提供事業者側には、移行の可否や移行の方法、費用、条件、手続を契約前に知らせることを推奨しています。この報告書はクラウドサービスを対象にしたものですが、業務システムを選ぶときの考え方として、整備システムにもそのまま当てはまります。
自動車業界では、整備システムのデータを利用者自身の資産として扱い、必要なときに返却・移行することに賛同する企業を示す仕組みとして、DataPorta(データポルタ)というマーク制度があります。対象は自動車整備システムや整備業者向けのシステムで、返却・移行の対象として顧客情報、車両情報、伝票情報、明細情報が挙げられています。運営は日本カーネット株式会社です。
マークがあるかどうかは、乗り換えの出口が用意されているかを見る手がかりの一つになります。マークの有無にかかわらず、実際に出力できる項目と形式は、契約前に販売元へ確認しておくのが確実です。
データの持ち出し条件を契約前に確かめる理由
整備システムのデータを持ち出せるかどうかは、契約書や利用規約の定めで決まる部分が大きく、契約を結んだ後では条件を変えにくくなります。公正取引委員会の令和4年6月の報告書も、利用者が契約前に、契約を終える条件と、保存したデータを完全な形で取り出す方法を確認しておくよう勧めています。確認する項目は、出力できるデータの種類、出力の形式(CSVなど)、出力を依頼する場合の手続と日数、契約終了後にデータが消される時期の4つです。これは今のシステムの解約時だけでなく、次に選ぶシステムでも同じように聞いておくと、将来また乗り換えるときに困りません。
移行したデータを確認できたら、旧システムと新システムを短期間並行して使います。二重入力は不要です。分け方は簡単です。新しい伝票は新システムで起こし、旧システムは過去の照会と、締め前の売掛の確認にだけ使う、という分け方が負担の少ない方法です。
注意したいのは車検案内です。顧客データの移行で最も影響が出やすい業務だからです。旧システムで今月分の案内を出した後に、新システムでも同じ月の案内を出すと二重に届きます。移行月だけは、案内の対象月と発送日を表にして、どちらのシステムから出すかを決めておきます。案内の出し方そのものは「車検案内の出し方と自動化」で詳しく扱っています。
指定工場の場合は、指定整備記録簿の保存にも注意が要ります。指定整備記録簿は記載の日から2年間の保存が道路運送車両法で定められているため、旧システムで作った記録簿を電子で残しているなら、乗り換え後も2年間は表示や印刷ができる状態を保つ必要があります。電子保存の要件は「指定整備記録簿・点検整備記録簿の電子保存」にまとめています。
並行稼働で二重入力を避ける分け方
整備システムの乗り換えで並行稼働をするときは、新しい伝票はすべて新システムで起こし、旧システムは過去の照会と締め前の売掛の確認に限定すると、二重入力が発生しません。移行日を月初に置けば、前月分の締めと請求を旧システムで終えてから切り替えられるため、売掛残高のずれも起きにくくなります。並行期間の長さは工場の規模によりますが、月末の締めを1回、新システムで通せたら旧システムを照会専用から外す、という区切り方が分かりやすい目安です。指定整備記録簿のように保存期間が2年と決まっている記録は、旧システムの契約を終える前に出力して保管しておきます。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER(ドリームパワー)は、顧客管理、車両管理、伝票作成、入金管理、合計請求、車検点検案内などをまとめた整備システムで、車両販売システムも備えています。乗り換えの相談では、次の順で進みます。
契約は月単位のレンタル契約で、長期リースの縛りはありません。法改正や業界の変化で必要になった機能はアップデートで追加され、アップデートとオンラインサポートは無料です。提供形態はインストール型で、Windowsのパソコンで動きます。料金は機能の組み合わせで変わるため、ご利用料金は資料請求でご案内しています。機能の全体は主な機能の一覧で確認できます。
整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、日本カーネットとして「データはお客様の資産です。返却・移行することに賛同します」という立場を公式サイトで示しています。乗り換えてきたデータが、次にまた乗り換えるときに出口をふさがれることはありません。長期リースからの乗り換えを考えている場合は「整備システムをリースなしで導入する」もあわせてご覧ください。
整備システム・整備ソフト DREAM POWERへのデータ移行
整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、他社の整備システムからの顧客、車両、整備履歴のデータ移行に対応しています(一部例外あり)。申込から利用開始までは通常約1週間が目安です。導入前のデモは、訪問、オンライン、来店の3つの方法から選べるため、今のシステムの画面と見比べながら、移行後にどの項目がどう表示されるかを確かめられます。契約は月単位のレンタル契約で長期リースの縛りがなく、アップデートとオンラインサポート(電話とリモート操作)は無料です。導入実績は6,000社、利用継続率は89%です。
今のシステムから顧客、車両、整備履歴のデータを出力できれば、新しいシステムに移せます。出力できるかどうか、どの形式で出せるかはシステムと契約によって違うため、まず今の販売元に確認してください。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは他社データの移行に対応しています(一部例外あり)。
移行にかかる日数は、データの量と、旧システムからの出力に販売元への依頼が要るかどうかで変わります。依頼が必要な場合は、その受付から受け取りまでの日数が加わります。整備システム・整備ソフト DREAM POWERは申込から利用開始まで通常約1週間です。
できます。ただし、長期リースは中途解約の扱いが契約書で決められていることが多く、残りの期間分の支払いが続く場合があります。満了日と中途解約の条件を確認してから移行日を決めるのが安全です。
機能や価格の比較の前に、データ移行の対応範囲、契約期間とリースなしで使えるか、法改正への更新の扱いを確認すると、安いだけで選んで後から困ることを避けられます。複数の製品を並べて比べたい場合は、姉妹サイトの整備システム比較で、おすすめの選び方を含めて整理しています。
マークの有無と、実際にデータを出力できるかどうかは別の話です。マークがなくても出力できるシステムはあります。確認が先です。契約書や利用規約の記載と、販売元への問い合わせで確認してください。
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。税務や法令の個別の判断は、所管の官庁や専門家にご確認ください。
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