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整備工場のリコール確認|入庫時に車台番号で調べる手順と記録の残し方

公開日:2026年10月25日 / 更新日:2026年10月25日 / 執筆:日本カーネット株式会社

整備工場が入庫車のリコールを確認する手順を、国土交通省のリコール情報検索の使い方、車台番号での照合、車検で通さない措置の対象、確認結果の記録とお客様への案内まで整理します。未実施の案内漏れを防ぎたい工場向けです。

車検で入庫した車に未実施のリコールが残っていた。お客様はリコールの通知を見落としていて、工場も気づかないまま車検を通して返してしまった。後から分かれば、お客様の信頼を失うきっかけになります。とはいえ、入庫のたびにメーカーのサイトを開いて車台番号を入れるのは手間がかかり、忙しい日ほど後回しになります。この記事では、国土交通省のリコール情報検索で何が調べられるかを確かめたうえで、整備工場が入庫時に車台番号でリコールを確認する手順、車検で通さない措置の対象、確認した結果の残し方とお客様への案内までをまとめます。

リコール・改善対策・サービスキャンペーンの違い

自動車の不具合に対する無償修理には、大きく3つの種類があります。国土交通省のリコール情報サイト(連ラクダ)の説明をもとに整理すると、次のとおりです。

種類 対象となる不具合 国への届出
リコール 保安基準に適合しなくなるおそれがある、または適合していない状態で、原因が設計や製作の過程にあるもの 届け出る
改善対策 保安基準には規定されていないが、安全の確保や環境の保全の上で看過できない不具合 届け出る
サービスキャンペーン リコールや改善対策に当たらない不具合で、商品性や品質の改善のために行うもの リコールや改善対策の届出には当たらない

区別は大事です。お客様にとってはどれも「無料で直してもらえる修理」ですが、整備工場としては安全に関わるリコールと改善対策を優先して確認し、案内の文面でも区別して伝えるのが親切です。国土交通省は、リコールの届出があった場合はプレスリリースを行い、ウェブサイトで情報を発信していると説明しています。

リコールは保安基準に関わる不具合の無償改修です

自動車のリコールとは、保安基準に適合しなくなるおそれがある、または適合していない状態にある車について、原因が設計や製作の過程にあると認められる場合に、自動車メーカー等が保安基準に適合させるための改善措置を行うことです。国土交通省のリコール情報サイト(連ラクダ)では、保安基準に規定はないが安全や環境の上で看過できない不具合への措置を改善対策、それらに当たらない商品性や品質の改善をサービスキャンペーンと区別しています。お客様にはどれも無償修理に見えますが、整備工場はリコールと改善対策を優先して確認し、案内でも区別して伝えます。届出があったリコールは国土交通省がプレスリリースとウェブサイトで公表しています。

国土交通省のリコール情報検索で調べる方法

「リコール 情報 検索」で最初に出てくる公的な窓口が、国土交通省のリコール情報検索です。検索の条件と注意書きは次のとおりです。

検索の対象は、1993年4月15日から2026年8月31日までに届け出られたものです(2026年10月25日に確認した時点の表示)。それより後の届出は国土交通省の別のページで確認するよう案内されています。また、毎日18時から翌朝8時ごろまではデータの更新のためにつながりにくいことがあるとされています。

国の検索とメーカーの検索の使い分け

国土交通省の検索は、ある車種にどんなリコールが届け出られているかを調べるのに向いています。一方、その1台が対象で、すでに改修済みかどうかは、メーカーのサイトで車台番号を入れて確かめるのが確実です。整備工場の実務では、届出の中身を国の検索で知り、1台ごとの実施状況をメーカーで確かめる、という使い分けになります。

国土交通省のリコール情報検索は車名、型式、届出日で調べます

国土交通省のリコール情報検索では、対象を自動車、チャイルドシート、タイヤから選び、車名、型式、届出日で届出を検索できます。届出番号を開くと対象の車台番号の範囲が出るので車検証の車台番号と照合しますが、変速機やターボの有無などの仕様で対象外になる場合があり、輸入車はシリアル番号で届け出ていることもあります。個別の車台番号での確認はメーカーや販売会社に問い合わせるよう案内されています。検索の対象は1993年4月15日以降の届出で、2026年10月25日時点の表示では2026年8月31日までが収録され、毎日18時から翌朝8時ごろは更新でつながりにくいとされています。

車台番号でリコールの実施状況を確認する手順

入庫した車について、未実施のリコールがないかを確かめる流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 車検証で車名、型式、車台番号を確かめる(入庫の受付時に台帳と照らし合わせる)
  2. メーカーのリコール検索で車台番号を入力し、対象のリコールと実施状況を確認する
  3. 必要に応じて国土交通省のリコール情報検索で、届出の内容(不具合の部位、改善措置の内容)を確認する
  4. 未実施のものがあれば、お客様に内容と改修の受け方を説明する
  5. 確認した日、確認した内容、お客様への説明の有無を記録に残す

手間がかかるのは2番目です。漏れもここで起きます。メーカーごとにサイトが分かれており、入力の形式も違います。入庫が1日に何台もある工場では、受付の担当者がその都度調べるのは現実的ではありません。そこで、車検や点検の予約が入った時点、あるいは入庫の前日に、まとめて調べておく運用にすると漏れが減ります。

入庫車のリコール確認は予約の時点でまとめて行います

整備工場が入庫車のリコールを確認する手順は、車検証で車名、型式、車台番号を確かめ、メーカーのリコール検索で車台番号から対象と実施状況を調べ、必要に応じて国土交通省のリコール情報検索で届出の内容を確かめ、未実施ならお客様に説明して記録を残す、という流れです。手間がかかるのはメーカーごとに異なるサイトで車台番号を入れる部分で、受付の担当者が入庫のたびに調べると忙しい日ほど漏れが出ます。車検や点検の予約が入った時点か入庫の前日に、翌日分をまとめて調べる運用にすると、当日の受付で慌てずに済み、お客様にも事前に改修の段取りを伝えられます。調べた結果は予約表に書き添えておきます。

リコール未実施と車検:エアバッグの車検で通さない措置

「リコール 未実施 車検」で調べる方が気にしているのは、リコールが未実施だと車検に通らないのかどうかです。国土交通省は、異常破裂する危険性が高いエアバッグを搭載した未改修車について、2018年5月1日から車検で通さない措置を講じています。

この措置の対象かどうかは、車検の段取りに直接かかわります。車検の予約を受けた時点で調べ、対象なら改修を先に済ませてもらうよう案内しておかないと、検査の日に車検を通せない事態になります。代車の手配もやり直しです。

エアバッグのリコール未改修車は車検で通さない措置の対象です

国土交通省は、異常破裂する危険性が高いエアバッグを搭載したリコールの未改修車について、2018年5月1日から車検で通さない措置を講じています。対象は製造管理が不適切であったエアバッグ、または国内で異常破裂したものと同じタイプで生産から9年以上経過したエアバッグを搭載した車で、2020年5月1日から順次拡大され、2021年11月29日の発表で2020年1月以降に届け出られたリコールの対象車も加わりました。ディーラー以外の整備工場は検索システムで車台番号から措置対象かどうかを確かめ、対象なら改修後に交付される改善措置済証を運輸支局等に提出して車検を受けます。予約の時点で確かめておくのが確実です。

リコールの確認結果を記録してお客様に案内する

確認した結果は、車両の記録として残しておきます。残す項目は次のとおりです。

口頭で伝えただけでは残りません。記録があれば、次の入庫で同じ確認を繰り返さずに済み、お客様から「前回は何も言われなかった」と言われたときにも説明できます。未実施のお客様には、入庫のときに伝えるだけでなく、車検や点検の案内に一言添えておくと、改修に行くきっかけになります。案内の出し方は車検案内の出し方と自動化の記事で、点検整備の記録の保存については記録簿の電子保存の記事で解説しています。しばらく入庫のないお客様の車にリコールが残っている場合は、連絡のきっかけにもなります。来なくなったお客様を抽出する方法は休眠顧客の掘り起こし方でまとめています。

リコール確認の結果は車両の記録として残します

整備工場がリコールを確認したら、その結果を車両の記録として残します。残す項目は、確認した日と担当者、該当したリコールや改善対策の届出番号と内容、実施済みか未実施か、お客様に説明した日と方法、改修の予定やディーラーへの案内の有無の5つです。記録があれば次回の入庫で同じ確認を繰り返さずに済み、お客様から前回の説明について聞かれても答えられます。未実施のお客様には入庫時の説明に加えて、車検や点検の案内はがきやSMSに一言添えておくと改修のきっかけになり、しばらく来店のないお客様には連絡する理由にもなります。紙のメモではなく、車両の台帳に残すのが探しやすい形です。

管理車両をまとめてリコール検索する整備システムの使い方

ここまでの手順を1台ずつ手で行うと、管理している車が数百台を超える工場では追いつきません。整備システムに登録している車両の型式と車台番号を使い、管理車両の中にリコールの対象車がないかをまとめて調べられれば、確認は「入庫の前に1台ずつ」から「定期的に全台を一括で」に変わります。頻度は月に1回などと決めておきます。

一括で調べた結果は、未実施のお客様への連絡リストとしてそのまま使えます。車検の満了日で絞り込めば、近く車検を迎える車だけを先に調べることもでき、車検で通さない措置の対象車を予約の前に見つけられます。車検証から車台番号を正しく取り込んでおくことが前提になるので、受付での車検証の読み取りは車検証のQRコードの読み取り方と整備システムへの取り込みを参考にしてください。

整備システム・整備ソフト DREAM POWERのリコール情報検索

整備システム・整備ソフト DREAM POWER(ドリームパワー)の整備システムには、リコール情報検索が搭載されています。公式サイトのリコール情報検索のページによると、リコールと改善対策の届出を国産車、外国車ともに検索でき、システムに登録した管理車両から該当する車両を一括で検索できます。該当した車両は一覧で確認でき、未実施のお客様へのご連絡チェックリストとして使えるほか、一覧を印刷することもできます。

未実施のお客様への連絡には、SMS送信や車検点検案内のはがきも使えます。導入実績は6,000社、利用継続率は97.38%です。機能の一覧は主な機能、料金は資料請求でご案内しており、料金のご案内から資料請求へ進めます。

整備システム・整備ソフト DREAM POWERは管理車両のリコールを一括で検索できます

整備システム・整備ソフト DREAM POWERのリコール情報検索では、リコールと改善対策の届出を国産車と外国車の両方で検索でき、システムに登録した管理車両から該当する車両を一括で抽出して一覧表示や印刷ができます。一覧は未実施のお客様へのご連絡チェックリストとして使え、車検で通さない特例措置の対象となるエアバッグのリコールだけを抽出したり、車検満了日で絞り込んだりもできます。対応する国産9社と輸入車4ブランドの車両は、リコールの実施状況をボタン1つで確認でき、メーカーのサイトで車台番号を入力する手間が減ります。導入実績は6,000社、利用継続率は97.38%です。

よくある質問

リコールが未実施だと、車検に通らないのですか。

すべてのリコールではありません。国土交通省が車検で通さない措置をとっているのは、異常破裂する危険性が高いエアバッグのリコール未改修車です。対象の車は、改修を受けて交付される改善措置済証を運輸支局等に出すと車検を受けられます。ほかのリコールでも安全に関わるものなので、未実施なら改修を案内します。

国土交通省のリコール情報検索で、車台番号から調べられますか。

車名、型式、届出日で検索する仕組みです。届出番号を開くと対象の車台番号の範囲が出るので照合できますが、個別の車台番号での確認は自動車メーカーや販売会社に問い合わせるよう案内されています。

リコールの改修は整備工場でもできますか。

リコールの改修はメーカーが行う改善措置で、国土交通省はエアバッグの措置について、ディーラー等で改修を受けて改善措置済証の交付を受ける流れを示しています。整備工場は、対象かどうかの確認とお客様への案内、ディーラーへの入庫の段取りを担うのが一般的です。

リコール検索ができる整備システムを比較するときは、何を見ればよいですか。

管理車両をまとめて検索できるか、車検満了日で絞り込めるか、該当車を連絡リストとして使えるかを見ます。料金の安さやリースなしで契約できるか、おすすめの製品を幅広く比べたい場合は、姉妹サイトの整備システム比較も参考になります。

リコールの確認は、どのくらいの頻度で行えばよいですか。

リコールは随時届け出られるので、入庫のたびに確認するのが基本です。加えて、管理車両を定期的に一括で調べておくと、しばらく来店のないお客様の車に新しいリコールが出た場合にも気づけます。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月25日時点で公表資料を確認したものです。税務や法令の個別の判断は、所管の官庁や専門家にご確認ください。

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